東京ヤクルトスワローズ 奥川恭伸投手

左から) ショウエミリ、奥川恭伸選手、梨子本朱里 (※撮影時のみマスクを外しています)

取材・撮影)球活アンバサダーメンバー(梨子本朱里、ショウエミリ、薮田彩、柴村典花、佐藤実桜)

東京ヤクルトスワローズが、20年ぶりの日本シリーズ優勝。20年前、2001年4月に誕生したのが、日本一を決めるシリーズ初戦の先発を任されるなど、めざましい活躍をした奥川投手。昨シーズンはチームトップタイの9勝を挙げ、まさしくチームの柱とも言える存在に。そんな奥川投手の幼い頃の話し、プライベートのこと、そして今シーズンへの思いの内をインタビューさせていただきました。

ショウエミリ
(以下、ショウ)
本日はよろしくお願い致します。まず最初の質問ですが、小学校2年生のとき、宇ノ気ブルーサンダーで野球を始めたと聞きました。野球をはじめたキッカケは?
奥川恭伸投手
(以下、奥川投手)
そうですね、父親と兄(7学年上)が野球をやっていたんです。たぶん4歳の頃にはグラブをはめていた記憶が…というか気が付いたら、もう野球を始めていましたね。
ショウ
奥川選手が幼い頃、キャッチボールなど、どなたと、どんなときにされていましたか?
奥川投手
父親にも、よくキャッチボールをしてもらった思い出があります。あと兄が野球をするときに一緒について行っていました。
ショウ
お父様が、トスしてくれたスポンジボールを打っていた、とも聞きましたが。
奥川投手
そういうこともしていました。父親と兄が野球が好きだったので、その影響でいろいろと野球に関することをしていました。
ショウ
先程、お兄様が野球をするとき、一緒について行っていたと話されていましたが、奥川選手は、ついて行き、どんなことをされていたんですか?
奥川投手
兄が球場へ行った先で、兄が試合をしている間、ベンチの裏で1人、壁あてをしていました。
ショウ
本当に野球が好きだったんですね?
奥川投手
そうです、投げることが好きだったんです。とにかくたくさん練習したい、と思っていたようです。
ショウ
それは早くお兄様のように上達したい、との思いからですか?
奥川投手
多少、そんな思いもあったかもしれませんが、投げることが楽しかったという方があったかな。土日に試合があったので、父親と兄と試合会場へ行くときにグローブを持って行く。そして1人でボールを投げていたことも楽しい思い出です。
梨子本朱里
(以下、梨子本)
グラブのお話しがでましたが、今、プロになってからのグラブに対してのこだわりについて教えて下さい。
奥川投手
グラブのサイズは小さくて、そして軽いのが好きですね。グラブの好みは、本当に小さい頃から変わっていないです。もともと内野手をやっていたこともあって、こういう好みになったのかもしれません。
梨子本
今シーズンのグラブは、より軽量にする予定ですか?
奥川投手
はい、少しでも軽くしてもらえるようにお願いをしました。
梨子本
最初に買ったグラブのことっておぼえていますか?
奥川投手
はい、小学校のときミズノのグラブを買ってもらったんです。小さいときから、近所のスポーツ店へ行っては、いろいろなグラブをはめるのが好きだったんです。いろいろあるグラブの中から、一番のお気に入りを買ってもらえたのだから、本当にうれしかったです。
梨子本
甲子園でもミズノのグラブでしたね?
奥川投手
ずっとミズノのグラブをつかっています、使いやすいので。
梨子本
次の質問です。プロの選手として高いパフォーマンスのため“されていること”や“買われたもの”はありますか? 例えば良い睡眠のために…など。
奥川投手
どこでも寝れてしまうので(笑)。今、寮生活なんですけど、マットレスも昨年から新しくて良いものに変わったんです。あっ、このマットレスって良くなったと思うほど寝心地もかわりましたね。
梨子本
睡眠といえば、小さい頃からしっかりと睡眠時間をとると聞いたことがありますが…
奥川投手
そうですね、たしかに疲れたら体力回復のために寝るようにしていましたし、それは今でも同じで、休養日は外出よりも寝たり、リラックスしていることが多いかも。
ショウ
次の質問です。奥川選手の投球が好調のとき、その好調さを維持するためにされていることとは?
奥川投手
えっ~なんだろう…例えば、調子が良いときの映像を見る、そして良いイメージをつくるってことなどをしています。それから試合にのぞむこともありますね。
梨子本
では逆にピッチングが思うようにいかないとき、練習をする以外で“流れを変える意味”で、することとは?
奥川投手
まず治療に行ってから、とことん体を休ませます。
梨子本
これまでインタビューさせていただいた選手の方々だと“音楽を聞いたり”・“とことん投げ込む”という選手もいたのですが、奥川選手の場合は体に無理をさせないで回復につとめるということですね?
奥川投手
そうです、これまでもいろいろと試してきましたが焦って無理に投げ込んで、いいことってなかったんですよ。やはり睡眠もそうですが、体を休めると精神的にもリラックスができて良い形になると思うので…そしてリラックスすることで感情なども落ち着くので。
梨子本
奥川選手が、ご自身の短所として“感情の起伏が激しい”と以前、話されていましたが、試合を観ていても、そこまで喜怒哀楽を出されている印象がないのですが…
奥川投手
えっ、そうですか? そう見えているんですね?
梨子本
あえて試合では、感情を出さないようにしているんですか?
奥川投手
はい、そうです(笑)
梨子本
それは相手に感情を知られると“底が知れる感じ”がして、とかあるんですか?
奥川投手
そこまでではないですが…つい、嬉しい感情は出ていると思うんです。逆に、例えば試合中に自分の投球が思うようにいかないからイライラしたとして、それは我慢して、表に出さないようにはしている…つもりです。
梨子本
私も喜怒哀楽が出やすいタイプなのですが。
奥川投手
自分もそうですが、どうしても仕方ないときもありますよ。
梨子本
昨年の10月10日の試合、めずらしく感情を前面に出した試合だった思いますが。
奥川投手
はい、自分でもそう思っています。あのときは、出ていましたね。
ショウ
次の質問です。今シーズンのことについてですが、髙津監督が“今年、年間で25から28試合、先発してほしい”との期待の言葉がありました。奥川選手の理想する、試合とは?
奥川投手
まず1試合でも長いイニング、投げることができるようにしたいです。
ショウ
規定投球回の143回は、あと少しでしたね?
奥川投手
昨年は、あと5試合でしたね。やはり大切なことって、調子が悪くても長く投げることができるようにすることだと思うんです。その上で、できればコンスタントに7回まで、投げることができるようにしたいです。
梨子本
以前、完投や完封よりも勝利と話されていましたが。
奥川投手
はい、1年のシーズンを考えたとき、勝利を優先させていきたいと考えています。
梨子本
今年3月25日 京セラドームでの、対阪神戦が開幕戦(予定)になります。開幕投手として、小川泰弘投手、高橋奎二投手が名乗りをあげています。特に高橋投手は奥川投手には負けられないと闘志を燃やしていますが。
奥川投手
もちろん開幕投手、それは1つの目標として目指したいです。
ショウ
髙津監督も競争してもらいたいと話されていました。
奥川投手
シーズン最初、その舞台に立つ意味はわかっているつもりです。だからこそ、頑張りたいです。
梨子本
ショウ
今シーズンの活躍を祈っています! 本日はありがとうございました。

【編集後記】

昨年、巨人とのクライマックスシリーズ ファイナルステージでは初戦の先発を任され、98球でプロ初完投初完封、そして史上最年少でMVPも獲得。さらに日本シリーズでは開幕投手として大事な初戦を任されるまでの存在に。髙津監督もキャンプでは「今年は15勝ね」と声をかけられるなど、期待が高い。
昨シーズンは中10日というローテーションのうち、5日は体力強化にあてていたという奥川選手。インタビュー後「今シーズンは投げるボールのイメージを、よりパワーアップできたら」とも話された奥川選手、規定投球回はもちろん2桁勝利、さらに日本を代表するエースへと一気に飛翔するシーズンとなることを期待させるインタビューでした。

【PLAYER’S PROFILE】

東京ヤクルトスワローズ
奥川 恭伸(おくがわ やすのぶ)
背番号 11/投手
2001年4月16日生まれ。
身長184 cm、体重82 kg、石川県出身。
右投右打。
経歴:星稜高校卒、2019年ドラフト1位指名を受け入団。

取材:2021年12月