インタビュー)球活女子大生アンバサダー(時田茄奈、時田貴美枝)
取材企画)球活女子大生アンバサダー(時田茄奈、佐藤実桜、時田貴美枝、薮田彩、引田望月、梨子本朱里)
毎年5月の祝祭日、全国47都道府県47会場で実施される“少年少女野球教室”、約1万3000名ものお子さんたちが参加されている。この大規模なイベントに約400名の講師を派遣し、1995年の開始から常に“野球を広く普及させたい”との思いでイベントを成功させてきた公益社団法人全国野球振興会(日本プロ野球OBクラブ)。約1300名のプロ野球OBが会員として登録、「日本の野球の底辺拡大」「技術力向上」「プロ・アマ交流の促進」などを理念に活動を続けて25年。このプロ野球OBクラブの成り立ちの経緯、どんな活動をしているのか? 等など、日本プロ野球OBクラブ 事務局の星様に取材させて頂きました。
時田茄奈(以下、時田)
「本日はよろしくお願い致します。まず最初に、星様は野球の経験は・・・」
星俊(以下、星)
「野球は、小さい頃からプレイしていました。少年野球、中学、高校までは本格的に野球に取り組んでいましたよ」
時田
「野球を始めたキッカケは何ですか?」
星
「私が幼い頃から、教師をしていた父が学校の野球部に関わっていたんです。だから父親の影響で、いつのまにか当たり前のように野球を始めていました」
時田
「お父様の影響が大きかったんですね?」
星
「そうですね、家ではいつもテレビで野球というのが普通でしたから(笑)」
時田貴美枝(以下、時田貴)
「高校卒業後も野球に関わっていたのですか?」
星
「大学入学後は、本格的ではありませんが野球は続けていました。そして少しでも野球に関わりたくて、明治神宮球場のボールボーイのバイトもしていました。大学卒業後は一時期、学校の先生を」
時田貴
「もしかして、お父様の影響で、野球部で指導されていたのでは?」
星
「そうなんです(笑)。4年間ぐらいですかね、生徒たちに野球を指導していました」
時田貴
「その後、今の日本プロ野球OBクラブへ?」
星
「はい、縁があり全国野球振興会(日本プロ野球OBクラブ)に」
時田貴
「日本プロ野球OBクラブのこと、名前は知っていたのですが…少し勉強させていただきましたら1994年に設立、今年で25周年なんですね?!」
星
「故・川上哲治さんにより“野球への恩返し”という強い思いで設立されました」
時田貴
「川上さんと言えば、日本のプロ野球 草創期から活躍され、そして巨人V9という輝かしい功績を残された方ですね。そんな“打撃の神様”とも呼ばれた方が初代の会長さんというのは凄いですね」
星
「50代半ばで監督をお辞めになった後は、少年野球教室など野球の指導にあたっていました。そのときに日本プロ野球OBクラブを設立され、プロ野球の出身者ということであれば誰もが参画できて、野球界の発展に寄与する組織としての基礎作りをしていただきました」
時田
「日本プロ野球OBクラブの事業内容ですが ❶野球に関する指導者の養成 ❷野球に関する技術指導 ❸プロ・アマ交流に資する各種行事の開催 ❹全日本野球会議その他野球に関する団体との連携協力などがあると思うのですが」
星
「他にもいろいろと活動していますが、基本、その通りです。プロ野球の出身者が、お世話になった野球への恩返しという思いが設立の基礎にあると思います」
時田貴
「25年前に比べて野球界も大きく変化してきたと思いますが、星様が痛感する変化とは?」
星
「私が子供の頃は野球をする子供が多かった、そして野球ができる場所や環境が整っていましたが…やはり最近は野球をする子供が減ってきているというのが実感です」
時田貴
「その対策の意味でもプロ野球OBクラブで、いろいろな活動をされていますね?」
星
「はい、例えば“少年少女野球教室”がそうです。毎年5月、全国47都道府県で実施しています」
時田貴
「プロ野球OBの方々が“もっと多くの人たちに野球の魅力を伝えていきたい”という強い思いを感じさせる活動の1つですね」
星
「他にもプロ野球OBが、幼稚園生や保育園児童の皆さんにスポンジボールを使用して“ボールを投げる、打つ”という体験を楽しくしてもらっています」
時田貴
「それは“キッズベースボール”の活動のことですね。あと球活との“キッズ・ボールパーク”でも未就学児に向けて活動をされていますよね」
星
「はい。野球というスポーツの競技人口が減ってきている中で、何か具体的にしなくてはとの思いで実施しています。最近、球活様とご一緒に野球経験のない子供さんたちにも、柔らかいボールを使用してのキャッチボールや、バッティングを体験してもらうイベントを開催しています」
時田貴
「参加される、お子さんが増えているようですね?」
星
「はい、かなり多くの子供さんに参加してもらえるようになってきました」
時田貴
「私もキッズボールパークへ何度もお手伝いに伺っていますが、活気とお子さんたちの笑顔の数が増えたと思っています」
星
「そうですね、こういうイベントにおいてプロ野球OBクラブとしても元プロ野球選手に参加してもらい、野球の凄さや楽しさを体験してもらえるように、そして“野球に興味を持ってもらう”ための活動をしていきたいと考えています」
時田貴
「“キッズベースボール”や“キッズ・ボールパーク”での活動ですが、始めた当初と比べて、いろいろと改善されてきたと思うのですが」
星
「最初の頃、ゲーム形式の野球を簡単にして指導するというのが軸でした。ただ、やはり未経験者、それもお子さんたちからするとゲーム形式だと難しかったらしく…。そこで野球の基本中の基本である“投げる、打つ”を楽しんでもらうためにどうしたらいいか?! お子さんたちにわかりやすくするにはどうしたらいいか、この部分を試行錯誤して、ようやく最近は、お子さんたちの笑顔が満面になるシーンも多く見られるようになりました」
時田
「実際に、参加されるお子さんたちとふれあい、どのような印象・感想をお持ちでしょうか?」
星
「幼稚園へ伺わせていただいたり、小学校低学年のお子さんたちとイベントでふれあったりしていますが、始めて(スポンジ)ボールでキャッチボールをしたり、それもユニフォームを着た元プロ野球選手という人たちに教えてもらい喜んでもらえていることを、私も嬉しく思っています。テレビの中で野球をしていた元プロ野球選手という人とふれあうことも、小さなお子さんからすれば良い影響になっていると実感しています」
時田貴
「“キッズ・ボールパーク”の現場で“野球選手のユニフォーム姿、カッコ良い”と、お子さんたちが言っていますよ」
星
「やはりそうですよね、そう言う感動も、野球への興味につながってくれればと思います」
時田
「先程、野球の競技人口の減少というお話しがありましたが、最近、各大学の硬式野球の部員数は増えてきています(公益財団法人 全日本大学野球連盟/加盟校数および部員数[資料参照])。約2万人(2007年)から約2万8千人(2019年)に増加している要因の1つに、学生野球憲章が大幅に改定(2013年)され、元プロ野球関係者が学生野球(高校・大学)を指導できるようになったことも考えられると思うのですが、いかがでしょうか?」
星
「”学生野球資格回復制度”のことですね、増加要因の1つだと思います。2013年までは、プロとアマが差別化されていて、プロがアマ(高校・大学)を指導するには高い壁がありました。それが、この制度が始まり、講習を受ければ簡単に学生野球(高校・大学)を指導できることに」
時田
「プロで経験した実践的な指導などもできるのはいいですね?」
星
「学生の皆さんからしたら実例も含めてのリアルな指導をしてもらえる、これは大きいと思います」
時田貴
「教職免許を持たない方でも、一定の研修を受けることで学生野球資格回復を認める、という点も魅力的ですね?」
星
「はい。高校野球もそうですが、大学野球の部員数が増えていることに、この制度は本当に大きく関与していると思います」
時田貴
「大学野球を観戦していると、技術力もアップしているという声が球場内でも聞こえています」
星
「私も大学野球を定期的に観戦していますが、プロ野球OBの方が指導に入ったことで技術力が上がっているのも事実だと思っています」
時田貴
「六大学野球、例えば早稲田大学などでプロ野球OBの方が指導されていますよね」
星
「小宮山さん(千葉ロッテマリーンズ等でご活躍)は監督をされていますし、他にも大学野球で指導されているプロ野球OBの方が多くいますよ。大学生の方に、プロ野球OBが良い影響を与えられていることは理想とする形でもありますから、嬉しいことです」
時田
「ちなみに今後、野球により興味をもってもらうために、どのような活動をされたいとお考えでしょうか?」
星
「まず幼稚園生・保育園児童・小学校低学年に向けての底辺拡大の活動をしていきたいですね。やはり、この世代というのは野球を見る機会自体が減ってきているようですし、自宅の近所の公園でキャッチボールさえできない環境になってきています。いかに底辺を拡大していけるか、そして“野球未経験者”に向けてもできる限りの取り組みをしていきたいと考えています」
時田
「私たちも大好きな野球のために頑張っていきます」
星
「是非とも一緒に頑張っていきましょう!」
【PROFILE】
星 俊(ほし すぐる)
生年月日,1990年4月26日。
少年野球では投手、中学では外野手(レフト)、
高校時代は外野手(レフト・ライト)のポジションで活躍。
社会人になった今でも毎月2回、多いときは毎週、草野球を。
プロ野球 シーズン中は平均して毎月4~5回は球場で
試合観戦されているほど、公私共に野球に関わる毎日だとか。
現在、公益社団法人全国野球振興会(日本プロ野球OBクラブ)事務局にて
日本・野球界発展のため日夜奔走中。